【年収の壁】とは?背景・歴史・課題感をわかりやすく解説!
●年収の壁って何?<概要>
「年収の壁」とは、簡単に言うと、
一定の年収を超えると税金や社会保険料が増えて、実際の手取りが減ってしまう問題のこと。
特に以下の3つがよく話題になります。
103万円の壁:
年収が103万円以下だと配偶者控除が適用されますが、これを超えると控除額が減り、家計全体の負担が増える仕組みです。
106万円の壁:
年収が106万円以上で、従業員が51人以上の企業に勤めている場合、社会保険への加入が義務付けられます。これにより手取りが減るものの、将来の年金受給額が増えるメリットもあります。
130万円の壁:
年収130万円を超えると社会保険の被扶養者資格を失い、自分で社会保険料を負担することになります。この負担増が大きいのが特徴です。
実際、厚生労働省の推定で106万円の壁を意識している短時間労働者は、
約60万人に達しているとも言われています。
これらの壁は、働き方を調整する原因になり、
採用市場にも影響を与えています。
●そもそも、なぜこの壁ができたの?
この制度の背景には、昔の日本の家庭モデルが
大きく関係しているようです。
・昭和の時代背景:
高度経済成長期には「夫がフルタイムで働き、妻は家計を支えるために少しだけパートに出る」という家庭像が主流でした。そのため、専業主婦やパート主婦を税制・社会保険の面で優遇する仕組みが作られました。
・時代の変化:
女性の社会進出が進むと共に、共働き世帯が当たり前になった現在、この仕組みがむしろ働く意欲を削ぐ足かせになっています。特に、短時間で働くパートスタッフが多い小売業では、この制度が現場の労働力確保に影響を与えているケースも。
●これから起こりえること
年収の壁が解消されていくことで起こることを想定してみました。
<メリット>
・扶養内勤務者がフルタイムに転向し、労働力不足が緩和される。
・年収制限がなくなり、優秀な人材がフルタイム勤務に転向。
採用機会が増える。
・年収制限の撤廃により、スタッフがキャリアアップを目指しやすくなる。
定着率向上が期待できる。
・収入条件に関する調整が不要になり、採用プロセスが簡素化され、
効率が向上する。
<デメリット>
・企業の人件費が急増し、特に社会保険料負担が増大する。
・フルタイム希望者と短時間勤務希望者のミスマッチが発生し、
シフト調整が複雑になる。
・他社との人材獲得競争が高まり、人材確保が困難に。
・アルバイトに求めるスキル基準が高くなり、
企業のトレーニングコストが増える可能性がある。
●まとめ
どのような形であれ、年収の壁の解消は、
採用マーケットの大きな変化を起こすことになると思いますので、
顧客と一緒になって採用力が上がる支援ができればと思います。
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