雇用保険適用条件の変更による影響を試算してみた。
今回は、2028年度から予定されている
雇用保険適用条件の変更に伴うコスト増加の影響について
お話ししたいと思います。
この変更は、私たちとお取引いただいている
アルバイトやパートタイム労働者を多く雇用している
大手小売・外食企業様も大きな影響を受ける可能性があるため、
私自身の勉強も兼ねてアウトプットしたいと思います。
1. 現行制度と2028年度の変更点
働き方の多様化を踏まえ、
雇用のセーフティーネットの拡張および
労働力不足への対策などを目的として、
短時間労働者の雇用保険への加入を推進する改正雇用保険法が
24年5月10日の参院本会議で可決、成立しました。
加入要件である週の労働時間「20時間以上」が、
2028年10月から「10時間以上」に緩和されます。
この変更は、これまで雇用保険の適用外だった
約480万人の短時間労働者を対象に含むものであり、
企業側のコスト負担が増加することになります。
2. コスト増加の試算
では、具体的にどれほどのコスト増加が見込まれるのかを
試算してみました。
仮に、時給1000円のアルバイトを1000人雇用しており、
そのうちの500人が週に10時間から20時間働いていると仮定すると、
この500人が今回の条件緩和によって新たに雇用保険の対象となります。
まず、雇用保険料の会社負担率は「0.95%」です。
この場合、1人当たりの時給1000円に対する
会社負担額は次のようになります。
1000円×0.95%=9.5円
つまり、会社は1時間ごとに9.5円を負担することになります。
次に、これを週10時間働くアルバイト500人分に換算すると
1週間での会社負担額は、
9.5円×10時間×500人=47,500円
1ヶ月(4週間)では、
47,500円×4週間=190,000円
年間(12ヶ月)では、
190,000円×12ヶ月=2,280,000円
と、年間で約228万円のコスト増加が見込まれます。
雇用保険の観点だけでもこれだけのコスト増が
見込まれているのです。
3. 影響のまとめと対策
この試算からわかるように、
2028年度の適用条件緩和により、
会社のコストが確実に増加することが予想されます。
特にアルバイトやパートタイム労働者を多く抱える企業では、
影響が大きくなるでしょう。
大手小売企業様の場合、アルバイトスタッフの人数が多いため、
年間数百万円規模のコスト増が避けられません。
個人的に何ができるかを考えるとすると、
お客様と一緒にコストシミュレーションを実施をした上で、
・シフトの最適化
・短時間正社員制度の導入
・副業人材の活用
・業務委託契約者の活用
こんなことがイメージできるところと感じています。
今回の適用条件緩和は、
企業全体の経営にも影響を及ぼします。
そういった観点からもお客様と
「どんな準備が必要なのか」
という会話を進めていければと思います。
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